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人には言えないプロマネの裏話 第16回

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  • 公開日:2009/03/06
  • 更新日:2009/03/18

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 とうとうこの茶話会も最後になります。総括をしたいところですが、やはり旬なネタはいくつかあるので、まずはそのネタを。最後に、IT 業界へ就職・転職希望者へのアドバイスを述べています。


「文系・理系プロマネとプロジェクトの成功率」img08  

T:30代、大手インテグレータのプロマネ
A:30代、コンサル会社のプロマネ
N:30代、自称超大手インテグレータの社員

■ 2009 年 3 月の旬なネタ

A:「この『プロマネの裏話』今回で最終回だそうです」
T:「1 年とちょっとの連載だった。ヨタ話も多かったが、そこそこタメになる話もあったのでは」
A:「あったんでしょうか?」
T:「さぁ、読む人次第かもしれない」
A:「ということで、今回は総括ですか?」
T:「いや、旬なネタがあるのでまずはそれからでしょう」

■ PM 学会の春の発表大会

T:「第 5 回(注 1)でも話たんだけど、先日プロジェクトマネジメント学会の春季発表大会(注 2)がありました」
A:「前回は、PMBOK の ISO 化(注 3)とか、工数算出の公式、リスクや生産性といったところでしたが、今回は?」
T:「一言言ってよかですか?」
A:「どうぞ」
T:「前回よりも酷い」
A:「毎回言ってますよ、それ(笑)」
T:「事実なんだから仕方ない。年々、発表枠も少なくなってきているし。そもそも発表しているひとの所属している会社が偏りすぎだろ。それに同じことを発表しているものが多いんだよ」

<主な発表会社とテーマ>

NTTデータ関連 14 うちリスク審査関連が5
日立関連 22 うち教育・育成関連4
日本IBM -
三菱電機関連 -
千葉工業大学 -
富士通 -

N:「超大手会社の発表はほとんどがリスク審査と称する業務の発表ですが、いろいろと事情(注 4)があるのです。ご容赦を」
T:「ここ 2・3 年の発表はつまらないものが、本当に多くなった」
N:「発表する会社も偏っていると言ってましたが、部門も偏っていますから」
A:「そうだね。ある大手会社の育成部門のひとが学会に関係していると、その部門の発表が多くなる」
T:「PMBOK ガイド第 4 版が発表された(注 5)というのにそれに関する発表がないというのも問題だ」
A:「そんなこと知らないひと(注 6)も多いんでしょう」
T:「OPM3 の最新版について発表(注 7)していたひとはいたけどね」
A:「実際に聞いてみて、面白いものはあった?」
T:「富永さんの『パーソナル PM の体系化』(注 8)。内容が一味違う」

■ PMBOK 第 4 版の日本語版

A:「PMBOK 第 4 版の日本語版のことですが、PMI のサイトからダウンロードしてみました」
T:「どうだった?」
A:「まだ、3 章までしか訳されていません」
T:「遅延かい!」
A:「3 月末ごろ(注 9)には全部訳されて UP されるみたいですよ」
T:「それは良かった」
A:「3 章までのところを見ると、あまり変更もなさそうです」
A:「試験対策業者はガッカリでしょう」
T:「試験対策業者を設けさせるために PMBOK の改訂をしているわけではないからね」

■ 総括その1

T:「さて、総括に行きますか。話題になったテーマとしてはやはり第 3 回(注 10)」
A:「社保庁の話ですね。あれは、この企画を出したときにも、やりたいと言っていたテーマだった」
T:「噂では、某超大手インテグレータの SNS でも紹介されたらしい」
A:「紹介(笑)」
T:「あの会社もいろいろとネタが尽きない会社なんだよね」
N:「ネタっていわないでください。素晴らしい会社ですよ。最近、フリーペーパーを出しました(注 11)。タイトルが『理系女子、萌え』」
T:「うわ、すげえ。何をターゲットにして出したんだ」
A:「理系メガネ男子萌えの女子版か?」
T:「奇しくも第 15 回(注 12)では、文系 SE について語ったんだが、パクられたのか?」
A:「そんなことはないでしょう」 

■ 総括その2

T:「見積もりについては、第 1 回(注 13)、第 13 回(注 14)あたりで話したな。PMO についても第 12 回(注 15)でテーマにした」
A:「PMO については、まだまだ話すことはたくさんあるんだけどね」
T:「今年あたり、PMO 関連の書籍が出るという話を聞いたことがある。でも著者が現場から離れて長いひとだからねぇ」
A:「また現場から乖離した本が出るわけですか」
T:「といっても現場に密着した本だと、第 8 回(注 16)でテーマにした「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」のような IT 業界の残酷物語が多くなりそうだし」
A:「IT 業界のイメージは、第 2 回(注 17)でのテーマのように真っ暗ですから」
T:「IPA フォーラム 2007 ね。最近では情報漏えいもやってしまった(注 18)し、IPA の未来も明るいとはいえない」 

■ 就職・転職活動のひとたちへ

T:「やはり、16 回もやっていると、それなりにいろいろなことを語ったな」
A:「まだまだ、語り足りません。あんなことやこんなこと、発表する時期をまっていたアノ話とかいろいろあるんですけど」
T:「システム開発のリアルな現場ネタなんかを話してもよかったんだけど、実態を知ったら、たぶん発注されることはなくなるしね」
A:「大手もそうですが、中小企業や下請け会社も言えないダークな話が相当ありますよね」
T:「この業界に来ようとして就職活動とか転職活動をしているひとにアドバイスです。会社の広報や人事が言っている話だけを鵜呑みにしないように。あれはいわばデモ(注 19)にすぎません。実際はバグが多いものです」
A:「あとは話を聞く相手に注意したほうがいい。例えば社畜タイプの社員(注 20)からは、その会社に対する褒め言葉しかでてこないし、負け犬タイプ(注 21)からは文句しかでてこない。客観的かつ広い視点で語れるひとの意見を聞いてみるといいでしょう」
T:「そういうひとを見つけるのが大変なんだけどね」
A:「それよりも、自分たちも社畜や負け犬にならないように注意しなくては」 

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キーワード集

(注 1)第 5 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 5 回」プロジェクトマネジメント学会 2008 春のトピック。http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=224

(注 2)プロジェクトマネジメント学会の春季発表大会・・・プロジェクトマネジメント学会 2009 年度春季研究発表大会。2009 年 3 月 10 日~ 11 日に、東洋大学白山キャンパスで開催された。

(注 3)PMBOK の ISO 化・・・ISO21500 という標準。ISO/PC236 において、3 つの WG で検討されている。2010 年後半にリリースされるという話である。噂では、2012 年に延びたという話もあるが。

(注 4)いろいろと事情・・・PM 学会の理事などを輩出している会社では、発表しなくてはいけない論文数のノルマなどがあるらしい。

(注 5)PMBOK ガイド第 4 版が発表された・・・2008 年 12 月31 日に PMBOK 4th Edition が公開されている。

(注 6)知らないひと・・・意外なことに、プロジェクトマネジメント学会では、思ったよりも PMP の取得者は少ない。また、最近の発表では PMBOK に関連した発表も少ない。

(注 7)OPM3 の最新版について発表・・・「組織的プロジェクトマネジメント成熟度モデルの新バージョンについての考察」、平石謙治(ビー・ティー・ジー・インタナショナル)、岡田清久(日本電気)。

(注 8)富永さんの『パーソナル PM の体系化』・・・「パーソナル PM の体系化」、富永章(東京大学)。

(注 9)3 月末ごろ・・・PMI のホームページの Note によると、英語版でない 4th Edition は、現在は 1 章~ 3 章のみ公開されている。全章公開は、3 月末らしい。

(注 10)第 3 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 3 回」年金・社会保険庁・官公庁のシステム開発。http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=217

(注 11)フリーペーパーを出しました・・・3 月 16 日~ 18 日の期間限定で、「メトロポリターナ」3 月臨時増刊号として、駅に置かれている。美人 SE の写真が満載らしい(本当か?)。ピンクの表紙が目印。

(注 12)第 15 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 15 回」文系・理系プロマネとプロジェクトの成功率。http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=274

(注 13)第 1 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 1 回」システムの見積もりのあれこれ。http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=204

(注 14)第 13 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 13 回」期間見積もりとPMBOK2008。http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=263

(注 15)第 12 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 12 回」PMOって何? http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=259

(注 16)第 8 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 8 回」「ブラック会社に勤めて・・・限界かもしれない」のインパクト。 http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=239

(注 17)第 2 回・・・「人には言えないプロマネの裏話 第 2 回」IT 業界の未来は暗黒なのか? http://www.pminfo.jp/a/article.aspx?aid=210

(注 18)情報漏えいもやってしまった・・・IPA 職員が私有の PC で、ファイル交換ソフトを使用した結果、コンピュータウィルスに感染し、PC 内の情報が流出した事件。セキュリティを推進する IPA の職員が、1.ファイル交換ソフトを使用した点、2.私用 PC 内に業務情報を保存していた点、3.ウィルス対策を怠っていた点、にある。1.と2.は一般企業でも特に注意していることである。セキュリティ施策を指導すべき立場の IPA の職員が、このような基本的なルールを遵守せずに、情報流出をしてしまったことは、IPA に勤める職員のモラルを疑うものである。文字通り「医者の不養生」「紺屋の白袴」。そして、今後情報漏えいを起こした企業が、「IPA さえも守れなかったじゃん」と開き直ることもありうるかもしれない。どうするんだ、IPA。
また、この事件について、該当職員の処分(懲戒処分停職 3 月)が決定した後も、問い合わせなどが多数寄せられたらしい。

(注 19)デモ・・・デモは、きれいで、さくさくスピーディに動く。そりゃそうだよね、看板なんだから。製品版は遅いし、バグが・・・あるかも。

(注 20)社畜タイプの社員・・・企業に飼いならされて、自分の意思を持たなくなったサラリーマン。「社畜」という言葉の考案者は小説家の安土敏、広めたのは評論家の佐高信といわれている。

(注 21)負け犬タイプ・・・勝負に負けた人間、立場が弱い人間のこと。他に服従して生きていくしかない。強いものには正面から決して牙をむかず、裏でこっそり弱いものに対して吠えるのみである。

深く理解するためのリンク集

 ・プロジェクトマネジメント学会
http://www.spm-japan.jp/

・International Organization for Standardization
http://www.iso.org/iso/home.htm

・ISO 2007-11-27  "ISO launches work on international standard for project management"
http://www.iso.org/iso/pressrelease.htm?refid=Ref1092

・PMI Marketplace PMBOK Guide 4th Edition
http://www.pmi.org/Marketplace/Pages/ProductDetail.aspx?GMProduct=00101095501

・Library of PMI Global Standards(PMI会員限定)
http://www.pmi.org/Resources/Pages/Members/Library-of-PMI-Global-Standards-Projects.aspx

・社会保険庁
http://www.sia.go.jp/

・年金記録問題について 社会保険庁HP
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/index.htm

・metropolitana「メトロポリターナ」
http://www.metropolitana.jp/

・情報処理推進機構(IPA)
http://www.ipa.go.jp/

・当機構職員の私物パソコンからの情報流出に関するメールでのお問い合わせについて(IPA 1/21)http://www.ipa.go.jp/about/oshirase/20090121.html

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INDEX
人には言えないプロマネの裏話 第16回
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プロフィール

蒼井円, PMP /PMP十三楽坊, PMP(s)

PMP合格者であり、主にIT業界在籍者で構成されるスーパーアンサンブル。


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