
2009 年、おめでとうございます。
今年は各企業の IT 投資が鈍化するとの予想がありますが、PM 的には PMBOK やら新試験が開始されるやらで、「CHANGE」の年かもしれません。しかし年末から新年にかけて、いろいろとトラブルも発生して、関係者にとっては頭を抱える事態になっていると思います。規模見積もり、工数見積もり、コストの最新版は?
T:30代、大手インテグレータのプロマネ
A:30代、コンサル会社のプロマネ
■ 年末年始はシステムトラブルから
T:「あけまして、おめでとうございます」
A:「年末にもやはりシステムトラブルが発生していましたね」
T:「新幹線の運行管理システム (注 1) だね。COSMOS (注 2) という名称らしい」
A:「関係しているベンダーは日立 (注 3) という話です」
T:「原因はオペミス。前日 28 日にデータ変更などを行なったが、その変更作業に手間取って、翌日 29 日の AM5 時以降まで修正作業を行った。その後、日付変更処理をしたため、1 日データがずれて反映されたらしい」
A:「簡単に言うと、29 日 AM5 時のバッチ起動時限を越えてデータ修正をしたため、29 日のデータではなく 30 日のデータを作ってしまったと?」
T:「そう。初歩的なミス。オペレーションでなんとかできたはずだしね」
A:「年末年始に呼び出された担当のエンジニアに合掌」
T:「今年も艱難辛苦の年になりそうだな」
■ 2009 年のトピック その1 【PMBOK】
T:「プロジェクトマネジメント的には、今年のトピックは PMBOK 第 4 版だろう」
A:「12 月 31 日に公表されましたね。まだ、あまりネタがないんですよ」
T:「違いは?」
A:「PMI の Web サイトをチェックしてみると、2 つのプロセスが追加 (注 4) されたみたいです。でも、プロセスの削除や統合で、全 44 プロセスが 42 プロセスになったらしい。あとはプロセス名が変わったり」
T:「駆け込み PMP 試験需要が増えそうだな」
A:「2009 年の 6 月までは第 3 版 (注 5) で、それ以降は第 4 版ベースになるらしい。受験するなら、落ちた場合にリトライできるように 3 月までに受験する (注 6) のがベター」
■ 2009 年のトピック その2 【情報処理技術者試験】
T:「ついでに、情報処理技術者試験も変わる」
A:「あまり興味ないのだが、そうなの?」
T:「基本情報処理技術者試験の前段階として、IT パスポート試験 (注 7) とかいうのができる。前のシスアドみたいなものかな」
A:「プロマネ試験は?」
T:「それは存続するみたい」
A:「そうか」
T:「IPA も宣伝に力を入れていて、パンフレットの表紙が掘北真希 (注 8) 」
A:「くだらないところに金をかけているな、IPA」
T:「まぁね。年々受験者数が減っている(注 9)らしいし」
A:「そういえば、1 月 4 日に IPA 職員が情報流出事件 (注 10) を起こしたらしい」
T:「あのニュースは笑った。IPA って個人情報漏洩を防ぐための啓発サイトを公開したり、そもそもセキュリティ推進の親玉だろう」
A:「まず自分のところをしっかり取り締まって欲しいものです」
■ 2009 年のトピック その3 【工事進行基準】
T:「そして、とうとう工事進行基準の対応年」
A:「ちゃんと対応されているのかな、各社」
T:「さぁ」
A:「以前に、『ユニシスが EVM、NTT データが原価比例法』 (注 11) と話したが、どんな感じなんでしょうかね」
T:「先日開催されたあるセミナー (注 12) では、某社の取締役が SOX 法と工事進行基準をごっちゃにして説明したらしい。セミナーで『工事進行基準(SOX 法)対応のため、工事収益総額・工事原価総額・工事進捗度の 3 点について信頼性が求められる』、そして『要件定義ガイドラインの必要性』、そして『プロジェクト特性』。話の論理が飛び跳ねまくっていたらしい」
A:「それは痛い」
-----------------------------------------
キーワード集
(注 1) 新幹線の運行管理システム・・・JR 東日本の東北・上越・長野・山形・秋田新幹線の運行を管理するシステム。新幹線総合システム(COSMOS)と呼ばれている。1995 年 11 月から運用が開始された。
(注 2) COSMOS・・・Computerized Safety, Maintenance and Operation Systems of Shinkansen
(注 3) 関係しているベンダーは日立・・・日立評論 1997 年 2 月号に、COSMOS の名称がある。(http://www.hitachi.co.jp/Sp/TJ/1997/hrnfeb97/hrn0206j.htm)
(注 4) 2 つのプロセスが追加・・・What's new に、新しい 2 つのプロセスとして、「Identify Stakeholders」(ステークホルダーの特定)と「Collect Requirements」(要求の収集)が紹介されている。
(注 5) 2009 年の 6 月までは第 3 版・・・PMP Exam update は、30 June 2009。それまでは、PMBOK 第 3 版である。
(注 6) 3 月までに受験する・・・翔泳社「Developers Summit 2009」のプロジェクトマネジメント 2 日間セミナー(PMBOK 第三版概要)を 2/12-13 で受講して、3 月に試験というスケジュールが可能である。
(注 7) IT パスポート試験・・・初級シスアド試験の廃止に伴い、追加された試験。
出題範囲は、初級シスアドの範囲+基本情報技術者試験の 3 分野(「プログラミング/プログラミング言語」「基礎理論」「アルゴリズム」)。試験問題は「ストラテジ系」、「マネジメント系」、「テクノロジ系」の 3 つの分野から出題され、出題数は 100 問。合格基準は総合得点の 60 %以上、分野別得点の 30 %以上で、満遍なく理解していることが求められる。
(注 8) パンフレットの表紙が掘北真希・・・IPA の職員はとても自慢していた。「頭の固いIPA がアノ掘北真希を起用したのはすごい」と。人の税金をムダに使わないでくれ> IPA。
(注 9) 年々受験者数が減っている・・・情報処理技術者試験は 1969 年にスタートしたが、受験者数は 2002 年度の 80 万 3109 人がピーク。2006 年度では 60 万 8210 人まで減少している。
(注 10) IPA 職員が情報流出事件・・・IPA 職員が、私有 PC でファイル交換ソフトを使ってウィルスに感染し、同職員の個人情報が流出した。そればかりか、西武百貨店の 2000 年当時の社員 6296 人分の名前・所属・メールアドレスなども流出した。IPA 職員は、以前、西武百貨店のシステム開発の委託先会社に所属していたことがあり、その時の情報を私有 PC に保存していたのが原因と想定している。
また、IPA では同職員に対し、1 月 19 日に、「当機構(IPA)の信用を傷つけ、名誉を汚したこと」等を理由に、19 日付で停職 3 カ月の懲戒処分とすることを発表した。
(注 11) 『ユニシスが EVM、NTT データが原価比例法』・・・人には言えないプロマネの裏話 第 6 回「工事進行基準はプロジェクト管理の死神となるのか?」 を参照。
(注 12) 先日開催されたあるセミナー・・・プロジェクトマネジメント学会の「2009 年新春 PM 特別セミナー」。
・ProjectManagementInstitute(PMI)
http://www.pmi.org/
・PMI日本支部
http://www.pmi-tokyo.org/
・ITパスポート試験紹介サイト(IPA)
http://www.jitec.ipa.go.jp/1_00campaign/index.html
・漏れたら大変!個人情報(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/kojinjoho/index.html
・当機構職員の私物パソコンによる情報流出について(IPA 1/06)
http://www.ipa.go.jp/about/press/20090106.html
・当機構職員の私物パソコンによる情報流出等について(IPA 1/19)
http://www.ipa.go.jp/about/press/20090119.html
・プロジェクトマネジメント学会
http://www.spm-japan.jp/
![PM INFO WEB [ プロジェクトマネジメント関連情報 ]](/common/images/logo.gif)


蒼井円, PMP /PMP十三楽坊, PMP(s)



